食品安全認証の北米を中心にした新スタンダード『SQF』
日本の多くの食品メーカーは、FSSC22000認証を取得することで、自社の食品安全対策が万全であると考えがちです。しかし、現実には、FSSC22000が国際的な信頼を必ずしも得られていないという厳しい状況が存在します。特に、中国の食品工場においてFSSC22000を取得しているにもかかわらず、不祥事が頻発していることは、その信頼性を大きく揺るがす要因となっています。
FSSC22000は、ISO22000をベースにした食品安全管理システムとして広く採用されていますが、実際には一部の国や地域ではその実効性に疑問が呈されています。特に中国では、FSSC22000を取得しているにもかかわらず、衛生管理の不備や品質問題が報告され、消費者や取引先からの信頼を失う事態が続いています。こうした状況は、日本企業がFSSC22000を盲信してはならない理由の一つです。
このような中で、北米を中心に高く評価されている食品安全認証として『SQF(Safe Quality Food)』が注目されています。SQFは、北米市場、特に米国の大手小売業者や食品メーカーに強く支持されており、FSSC22000に代わる、より信頼性の高いスタンダードとして位置づけられています。
SQFは、食品の安全性だけでなく、品質管理にも厳格な基準を設けており、消費者やバイヤーからの信頼を高めるための強力なツールとなっています。北米市場での流通を目指す企業にとって、SQF認証は事実上の必須条件とも言えるでしょう。FSSC22000では不十分とされるリスク管理や具体的な実務レベルでの対策が、SQFではより厳密に規定されています。
日本企業は、国内市場においてはFSSC22000で満足しているかもしれませんが、グローバル市場、とりわけ北米市場をターゲットとする場合、SQFのような新しい国際基準への対応が求められる時代が来ています。特に、近年のグローバルサプライチェーンの複雑化や消費者の食品安全に対する意識の高まりに対応するためには、FSSC22000だけでなく、より厳格な認証基準への移行が必要です。
北米市場への展開を考える日本企業は、今こそSQFの取得を真剣に検討すべきです。